旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の3代目社長に就任し、昨年末をもって芸能活動を引退した元『少年隊』の東山紀之さん(57)が、イギリスの公共放送局『BBC』のインタビュー取材に応じ、事務所のスタッフ2名がタレントに対して性加害していたことを明らかにしました。
BBCは昨年3月に、ジャニー喜多川さんの性加害問題を特集した番組『J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル』を放送し、複数の元ジュニア(旧ジャニーズJr.)がジャニーさんからの性加害を告白したことで大きな波紋を広げました。
それから1年が経ち、BBCのジャーナリストであるモビーン・アザーさんが日本を再訪し、一連の騒動後の余波について調査を行い、その模様をBBCニュースチャンネルで30日午後12時30分(日本時間)から『捕食者の影 ジャニーズ解体のその後』のタイトルで放送することを発表しています。
『捕食者の影 ジャニーズ解体のその後』では、ジャニー喜多川さんからの性加害を告白後に誹謗中傷を受け、首吊り自殺した元ジュニアの遺族にインタビュー取材をしているほか、東山紀之社長にも取材を行っています。
<↓の画像が、BBCの取材を受けた東山紀之さんの写真>
東山紀之さんへのインタビューは今年2月に行ったといい、東山さんは取材に対して、ジャニー喜多川さんの性加害について社内調査した結果、事務所のスタッフがタレントに対する性加害を認めたことを明かし、東山さんは「僕がいま聞いているのは、2人と聞いています」と答え、東山さんは詳細を把握していないようです。
また、2月時点で旧ジャニーズ事務所がこれらの情報を警察に提供していないことも明かし、「法的なことを考えると、僕らには権限がないと思いますので。その当事者の人たちがそれに対して刑事告訴をしたら、僕らとしては全面的に協力するということになるとは思います」
と説明したとのことです。
この他にも、東山紀之さんは取材時点で、被害を申告した約200人と面会したことも明かし、「それによって少しでも心が癒やされれば、それが僕の役割なのかなと思います」と語り、事務所は被害者たちに専門家によるカウンセリングを提供、その費用を負担しているとし、東山さんは「それは無期限にやろうと思っています」と話したそうです。
被害を申告した人たちへの誹謗中傷問題については、「言論の自由もあると思うんですね。(中略)僕は別に誹謗中傷を推奨しているわけでもありません。できることなら、本当にオンラインの誹謗中傷をなくしたい」
などと語ったとしています。
そして、東山紀之さんがBBCのインタビュー取材に応じ、スタッフによる性加害を明かしたことなどに対してネット上では、
- スタッフ2名も加害者…それが確かならしっかり警察なり通報しないと今も被害者の数が増えますよ
- BBCに動いてもらわないと役に立たない日本のメディアの情けないこと
- スタッフも性加害に関与して話はずっと出ていたが、ジャニーズは知らぬ存ぜぬでしたね。
で、メディアはこれに対してどう対応するの? 結局なぁなぁで終わらすのかね。 - 酷いね、加害者があと二人いたなんて 3月にBBC、6月に国連人権理事会の最終報告 昨夏、国連の中間報告書には、ジャニ問題だけでなくエンタメ業界全般についても言及していた
その後、宝塚、セクシー、吉本、映画監督等々の問題 やはり、黒船が来ないと日本のエンタメ(TV局含めて)は変わらないのかも - BBCが取材しないと新しいことが出てこないのはこれまでと変わらず。
マスコミはそれぞれに検証をしていたけども、甘さがあるのは変わらないということだね。この番組でどんな内容が出てくるのか注目したい。
などの声が上がっています。
BBCは昨年のドキュメンタリー番組放送にあたり、旧ジャニーズ事務所にも何度も取材を申し込んだものの断られ、当時社長を務めていた代表取締役・藤島ジュリー景子さんは、「今回、このような内容で貴社よりご取材いただいたことを大変重く受け止めております。」などとコメントするに留めていました。
それから1年経って東山紀之さんが取材に応じ、スタッフ2名による性加害を明かしているのですが、これに関しては昨年8月末に事務所が設置した再発防止特別チームが公表した調査報告書にも記されており、関係者にヒアリングを行った結果、事実認定したとしていました。
ただ、その詳細については明らかにされていないのですが、ジャニー喜多川さんの性加害問題を長年にわたって糾弾している週刊誌『週刊文春』が、複数の元ジャニーズJr.や事務所関係者等に取材を行い、いち早くこの問題を伝えていました。
週刊文春によれば、タレントに性加害をしていたのはジュニアの元担当マネージャー・X氏で、「Xさんもジャニーさんみたいに、ジュニアの子に手を出していた。やはりジャニーさんのように、お金を渡していたそうです」
との証言を得たとしていました。
週刊文春はさらにX氏にも取材したところ、性加害は事実だと認めたとしており、X氏は元々あるタレントの追っかけをしていて、1990年代前半に旧ジャニーズ事務所に入り、複数のグループのマネージャーを担当した後、2000年代ごろまでジュニアのマネージャーを1人で務めていたとのことでした。
そして、ジュニアたちと一緒に仕事をする中で自らの性的欲求を満たすため、当時まだ10代だったジュニアも含めて計6人くらいに声をかけ、口で性的な行為をしたなどと告白していました。
これに続いて昨年9月には、東山紀之さんの元担当マネージャー・Z氏がタレントへのセクハラ行為を認め、クビ同然の諭旨退職となっていたことを報じました。
このZ氏は旧ジャニーズ事務所に約30年も勤めていたベテラン社員で、元『光GENJI』の大沢樹生さんの追っかけを経て入社し、少年隊やV6などを担当、近年は元V6の坂本昌行さん、元Hey! Say! JUMPの岡本圭人さんなど、主に舞台で活躍するタレントのチーフマネージャーを務め、10年ほど東山紀之さんのマネージャーもしていたとのことでした。
事務所側が性加害を認定したスタッフ2名に、Z氏は含まれているのか否かは定かではありませんが、東山紀之さんの近くにいた社員にも性加害者がいたとの報道に対して、どのように捉えているのか非常に気になるところですし、BBCに続いて日本のメディアも事務所側にインタビュー取材を行い、一連の問題について改めて報じてほしいとも思います。