日本テレビの小杉善信社長が29日に定例社長会見を行い、国の行政機関・公正取引委員会(略称:公取委)が調査したジャニーズ事務所による圧力疑惑を完全否定しました。
公正取引委員会はジャニーズ事務所側が、2017年9月に独立した元SMAPの稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんを番組に出演させないよう民放各局に圧力をかけ、もし従わなければジャニーズタレントを番組に出演させないことを示唆したという情報を受けて、ジャニーズ事務所や民放各局などの関係者に聞き取り調査を実施しました。
<↓の画像は、2017年9月に独立した元SMAPの3人の写真>
(左から香取慎吾さん、草彅剛さん、稲垣吾郎さん)
結果的には、具体的なジャニーズ事務所による圧力、直ちに独占禁止法違反(不公正な取引方法)になる行為は認められませんでしたが、独禁法違反に繋がりかねない状況があったと認定され、注意を受けていたことが17日にNHKによって報じられました。
NHKによれば、民放テレビ局関係者が公取委の調査に対して、「ジャニーズ事務所にタレントの出演を依頼した際、『SMAPの元メンバー3人が関わっている場合には、所属タレントは出演させられない』と圧力をかけられた」
と証言していたとし、「3人を出演させれば、ジャニーズ事務所の所属タレントの出演が難しくなると感じさせる言動があり、将来的に違反に繋がりかねない」
と判断され、注意を受けたものとみられると報じています。
<↓の画像は、NHKによるジャニーズ事務所の圧力疑惑報道の写真>
この件に関して日本テレビの小杉善信社長は、公取委による調査を受けたのか報道陣に質問されると、「公正取引委員会がどこに調査に入ったと公表していない以上、日本テレビとして申し上げる立場にはない」
と回答を避けながらも、「圧力があったか無いかに関しては、私は現場の担当者ではないが、一切そういう声は聞いてない」
と圧力を否定しています。
<↓の画像は、ジャニーズ事務所の圧力疑惑を否定した日本テレビ・小杉善信社長の写真>
続けて、「問題は事務所退所後の彼らへの扱いのことになっていると思いますが、日本テレビに関しましては、当該タレントの退所後の出演実績は退所前と何ら変わっておりません」
と語っています。
日本テレビの番組制作の基本については、「まず番組側が出てほしいタレントさんを出演していただけるよう努力する。また視聴者ニーズがあるタレントさんにも同じように出演交渉するということ。誰それを出すなということは、日本テレビとしては考えておりません。もちろん、犯罪等々に関わった出演者関しては当然、下げている。犯罪を犯した者以外の制約は現場には課していない」
としています。
小杉善信社長はこのように語り、ジャニーズ事務所からの圧力をキッパリと否定していたのですが、ネットの反応を見てみると、
- 上層部に行くまでに揉み消される、それだけのことです
- 朝の情報番組から決まった若いジャニーズグループの出演ばかり。
ネットも見ない60代の方でも何で?と聴いてきました。煩くて長年の日テレ視聴を止めたそうです。誰でもわかることです。 - GQの授賞式で3人だけ不自然に映さないことあったような。あれは圧力じゃなくて忖度か
- メリーさんジュリーさんに買収でもされてるの?日テレとジャニーズのズブズブな関係は誰が見ても明らか。
こんなあからさまな放送をしておいて視聴者がどう思うか考えない経営者は会社を傾かせるだけだと思うけどね。
公正取引委員会にさらなる調査をお願いしたいです。 - 視聴者の立場から言わして貰えば、「なんで、こいつを起用するの?」って感じの、非常に好感度の低いタレントもよく起用されていますよね。
とても、視聴者のニーズを尊重しているとは思えない。 - 社長が聞いていない?何年も同局に出ていないのは事実ですよ社長さん。
このことをみれば圧力があったのは間違えない。(Jタレばかり使用しているのを見れば子供でもわかります) - 日本テレビでの新しい地図3人の出演実績は慎吾だけが欽ちゃんの意向で出演はしているが、他の二人は元々出演がないから圧力だろうと忖度だろうと見えない点があるからこちらには全く分からない
そもそも社長に聞いても何も出ない
などのコメントが寄せられています。
ジャニーズ事務所を退所した元SMAPの3人は元々、日本テレビ系の番組に出演する機会が少なく、SMAPが解散まで定期的に出演していた番組は、クリスマスの時期に放送される特番『さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル』のみで、その他に香取慎吾さんが出演の『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』ぐらいでした。
独立にあたって打ち切り終了したレギュラー番組も無かったため、「日本テレビに関しましては、当該タレントの退所後の出演実績は退所前と何ら変わっておりません」
という社長の発言は決してウソではなく事実だと思う一方、日本テレビは『スッキリ』などの番組で3人が登場するニュースを扱った際、3人の名前を出さずにアップを映さないなどの編集を行っていたので、圧力は受けてないとしても忖度していたのは間違いないでしょう。
なお、ジャニーズ事務所の圧力疑惑の裏側については週刊誌『週刊文春』が報じており、嵐の元チーフマネージャーで、主にテレビ局との交渉・キャスティングを担当しているA氏が、退所後に香取慎吾さんを番組出演させた関係者に対して「そういう考えなのですね」と詰め寄ったという証言を伝えています。
また、A氏が3人を取り上げた番組、時間の長さをリストアップしたものを某テレビ局幹部に提示し、「なぜこうなったのですか?」と追及したり、3人を起用した場合は「どっちなんですか?」と問い、独立後も香取慎吾さんの『おじゃMAP!!』を放送していたところ、番組担当者がA氏に「いつまで続けるつもり?」と詰め寄られたこともあったと民放幹部が語っています。
しかし、A氏は用意したリストを提示するだけで持ち帰り、証拠を残さないといいます。
こうしたジャニーズ事務所側の働きかけにより、民放各局はジャニーズ事務所から直接圧力を受けることなく、意向を汲んで様々な番組で忖度するようになり、『スッキリ』で意図的に3人のアップなどをカットし、これに対して司会の極楽とんぼ・加藤浩次さん、天の声の南海キャンディーズ・山里亮太さんは疑問を抱き、あえて3人の名前を番組内で出すなどしていました。
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そして、民放各局の異常な対応にSMAPファン等は即座に反応し、様々な場で疑問の声を挙げ、公取委に情報を寄せたこともジャニーズ事務所の圧力疑惑が調査されるきっかけの1つになったとしています。
なお、『週刊文春』の取材にA氏は、テレビ局に圧力をかけたのではないかという質問に対して、「なるほど、いろんな考えもあるでしょうから、会社の方にお願いしても宜しいですか」と話し、ジャニーズ事務所に改めて質問すると、「弊社の従業員が、ご指摘のような行為を行った事実はございません」
という回答があったとしています。
また、民放各局にも圧力や忖度の実態について聞いたところ、フジテレビは「事務所から圧力があった事実はございません」、テレビ朝日も「そのような事実はありません」、日本テレビからは「番組制作の過程についてはお答えしておりません」という回答があったとしています。
ジャニーズ事務所からの圧力は現時点であくまでも疑惑で、公取委の調査でもそのような結果が出ているので何とも言い難い部分はありますが、テレビ局側もこれまで異常な忖度をしていたことは間違いなく、元SMAPの3人それぞれが出演するバラエティ番組、ドラマを観たいという声も多く上がっていることから、そうしたファン等の声に応えたキャスティングを今後していってもらたいです。