作家・山崎豊子さんのベストセラー作『白い巨塔』が、16年ぶりにV6・岡田准一さん主演で5夜連続スペシャルドラマとして放送され、26日放送の第5夜(最終回)の平均視聴率が15.2%を記録したことが明らかになりました。
テレビ朝日で『白い巨塔』がドラマ化されるのは、村上弘明さんが主演した1990年以来29年ぶりで、今回はテレビ朝日開局60周年記念として、5月22~26日に5夜連続(22・23・24日21時~22時24分、25・26日21時~23時10分)放送されました。
初回平均視聴率は12.5%、第2夜は11.8%、第3夜は12.2%、第4夜は13.5%、第5夜は15.2%で有終の美を飾り、全話で2ケタの視聴率を獲得しています。
ちなみに、26日の同時間帯放送の番組視聴率は、『世界の果てまでイッテQ!2時間スペシャル』(日本テレビ系)が18.1%、『集団左遷!!』(TBS系)が7.8%、『でんじろうのTHE実験 2時間スペシャル』(フジテレビ系)が5.2%、『「錦織圭×アリス」【全仏テニス2019】地元フランス勢とアウェー決戦』(テレビ東京系)が5.6%となっていました。
キャストは岡田准一さんの他に、松山ケンイチさん、沢尻エリカさん、夏帆さん、寺尾聰さん、岸部一徳さん、松重豊さん、八嶋智人さん、満島真之介さん、斎藤工さん、美村里江さん(旧芸名=ミムラ)、市川実日子さん、飯豊まりえさん、小林稔侍さん、近藤芳正さん、小林薫さん、市毛良枝さん。
徳永えりさん、高島礼子さん、椎名桔平さん、筒井道隆さん、柳葉敏郎さん、岸本加世子さん、山崎育三郎さん、浅田美代子さん、雛形あきこさん、モロ師岡さんなど、豪華キャストが顔を揃えていました。
<↓の画像が、岡田准一さん版『白い巨塔』キャストの写真>
『白い巨塔』は、大学病院の中で繰り広げられる権力闘争や医学界の腐敗を追求した社会派作品で、「命の尊厳とは何か?」を問いかける内容となっており、1963年から執筆された原作は昭和30年代を舞台としていますが、岡田准一さん主演の今作では設定を現代に変更し、最新の医療現場を舞台にした新たな『白い巨塔』を描いていました。
そして、岡田准一さん版『白い巨塔』を終えてネット上の感想を見てみると、
- 様々なシーンをカットし過ぎで重みが全く無くなっていた。原作を10倍に薄めて、更に上澄みだけを取って見せた様なドラマだった
- 改めて唐沢版の配役の凄さを確認した。今回、岡田君始め、引き受けて損した人が多かったかもね。
- この視聴率を勘違いしてジャニーズ主演の過去の名作ドラマのリメイクは絶対にやめてほしい
- フジテレビでやった唐沢寿明の財前五郎見たら岡田くんじゃ迫力なさすぎる。
岡田くんだけじゃなく全体的な俳優に物足りない感じがしてつまらなかった。 - 山崎豊子の原作がいいので、どうやってもそこそこは面白くなるのだが、それ以上にはなっていなかったな。
財前も原作ではあそこまで嫌な奴ではない。野心家で傲慢な奴ではあるが、人として愛すべき所のある男で、ある意味男の一つの理想像でもある。
岡田君はそこまでは出せていなかった。一応5話通して見たが、期待以上ではなかった。 - 豪華キャストなんだけど昔の白い巨塔を知っていると見劣りしてします。特に夏帆と沢尻エリカ
- 主役はさて置き、脇を固める俳優陣は贅沢だったが、キャスティングをミスるとどんなに良い俳優でも活かされないって事がわかるドラマだった。
- 視聴率がよくても、作品としてのクオリティが高いかどうかは別問題。ぶっちゃけ、今回は「白い巨塔だから見た」というだけの人が大半だと思う。全般的なキャスト陣の迫力不足や脚本の拙さはどうしようもなかった。
- 今回のはキャスティングが悪すぎる。身体について揶揄するのは申し訳ないが、財前が小さすぎる。
他のキャストも合ってない。東教授もなぁ。視聴率は、原作ファンが見届けたからでは? - 田宮、唐沢、岡田観ました。制作の時代でそれぞれ違いがあるから 私は比較しない。
ただ最終回の描き方が 残念でならなかった。感動と余韻が無かった。淡々としていた。
母親、愛人、友達、周りの医師描き方が不満だった。山崎豊子本の内容が訴えてたいことが軽く感じた。 - まず裁判シーン、オペシーンが軽すぎる。キャストを張り切って大物ばかり使った為、原作に対してブレブレ感が激しい。音楽が軽い。
岡田准一は嫌いではないが、唐沢寿明版の財前五郎は天才外科医の中にある人間の弱さや醜さと優しさを上手く演じていた一方、岡田准一版の財前五郎はただ醜さや悪の部分ばかり演じられていてがっかりした。
などと手厳しいコメントが数多く寄せられており、視聴率はまずまずだったものの、内容自体は微妙と感じた視聴者が多かった様子です。
『白い巨塔』は、過去に何度も実写ドラマ・映画化されている不朽の名作で、特に評価が高いのが田宮二郎さんが主演した『白い巨塔』(フジテレビ系 1978年6月~1979年1月)です。
<↓の画像が、田宮二郎さん版『白い巨塔』の写真>
続いて唐沢寿明さん版の『白い巨塔』(同 2003年10月~2004年3月)も高い評価を受けており、唐沢さん版は最終回で32.1%(関西地区は39.9%)を記録し、全21話の期間平均視聴率は23.9%でした。
<↓の画像が、唐沢寿明さん版『白い巨塔』の写真>
高い評価を受けたこの2本は半年にわたって重厚なストーリーを描いていたことに加えて、キャストも絶妙だったと言われています。
一方の岡田准一さん版は、過去作と比較して主人公・財前五郎の迫力が欠けているという指摘や、岡田さんの身長が低いという声も上がっていました。
ちなみに、岡田准一さんの公称身長は169センチ、田宮二郎さんは180センチ、唐沢寿明さんは175センチとなっています。
<↓の画像は、岡田准一さん主演『白い巨塔』の写真>
こうしたビジュアルに加えて、脚本や演出、全5話にまとめたストーリーに物足りなさを感じた視聴者が多かったようで、ネット上ではかなり厳しい感想が目立つのですが、平均視聴率は11~15%台で推移し、『白い巨塔』の人気の高さを改めて証明したので、今後またドラマなどが制作される可能性はありそうですね。