テレビ朝日開局60周年を記念し、小説家・山崎豊子さんの人気長編小説『白い巨塔』が来年スペシャルドラマとして放送されることが明らかになりました。
主人公の外科医・財前五郎役は、第1子誕生を先日発表したV6・岡田准一さんが務め、地上波としては異例となる5夜連続放送の大型ドラマとなり、テレビ朝日でスペシャルドラマを5夜連続放送するのは、開局45周年に放送した渡哲也さん主演の『弟』以来15年ぶり、岡田さんがテレ朝のドラマに出演するのも2001年以来となっています。
山崎豊子さん原作の『白い巨塔』は、1963年~1968年にかけて『サンデー毎日』で連載された大阪の大学病院を舞台とした社会派小説で、1965年に正編が単行本化され、続編が1969年に刊行されてから来年で50年を迎えます。
1966年には俳優・田宮二郎さん主演で映画化され、1967年以降にはテレビ朝日とフジテレビがドラマ化しており、佐藤慶さん、田宮二郎さん、村上弘明さん、唐沢寿明さんが主演し、2007年には韓国でもドラマが放送されました。
<↓の画像は、田宮二郎さん版『白い巨塔』の写真>
<↓の画像は、唐沢寿明さん版『白い巨塔』の写真>
『白い巨塔』は現在数多く存在する医療ドラマの金字塔的存在の作品で、大学病院の中で繰り広げられる権力争いや医学界の腐敗を追及し、「命の尊厳とは何か?」を問い掛ける重厚な内容となっています。
原作の設定では昭和30年代なのですが、岡田准一さんが主演する今作では設定を2019年に変え、最新の医療現場を舞台に今までにない新たな『白い巨塔』を描いているといい、10月上旬から撮影がスタートしているそうです。
<↓の画像が、財前五郎役を演じる岡田准一さんの写真>
脚本は、映画『フラガール』『パッチギ!』、NHK連続テレビ小説『マッサン』などを手掛けた羽原大介さんらが担当し、監督は2007年に紫綬褒章、2013年に旭日小綬章を受章した鶴橋康夫監督が務めています。
主演に抜擢された岡田准一さんは、「今回“医師役”にも初めて挑戦していますが、今作は設定を現代に置き換えているので、医療技術なども現代風にアレンジされています。医学の進歩に伴って、今の時代だからこそできる『白い巨塔』になっていると思いますので、そういった部分にもご期待ください。『白い巨塔』という作品を制作することも、僕が財前五郎という人物を演じることも、“今やること”に何らかの意味や意義があると思います。それを探し、見つけながら、監督はじめ、みんなでエネルギーをぶつけて『白い巨塔』と戦っていますので、ぜひ出来上がりを期待してお待ち下さい!」
などとコメントしています。
来年放送される『白い巨塔』第1夜のあらすじは、母子家庭で育ち、努力を重ねた末に浪速大学医学部第一外科・准教授となった財前五郎は、たくましい体や精悍(せいかん)な顔つき、加えて気さくな人柄によって付属大学の学生や医局員たちにも慕われており、正に浪速大学のスター准教授となっていました。
ある夜に、浪速大学・滝村恭輔名誉教授の喜寿(77歳)を祝うパーティーを行っている中、スペ患(スペシャルな患者の意味)である近畿新聞の山田音市会長の容態が急変し、膵臓(すいぞう)ガンを患っている山田会長は執刀医として財前を指名します。
しかし、山田会長は第一外科・東貞蔵教授のスペ患ということから指名された財前は、上司の東教授を差し置いて執刀するのは…とためらいを見せるのですが、教授の座に向かって野心を燃やしている財前は、心の中では舞い込んだチャンスにほくそ笑んでおり…というストーリーとなっています。
そして、『白い巨塔』が来年15年ぶりにドラマ化されることに対してネット上では、
- 唐沢版を見た世代なので再リメイク自体は楽しみ
- 里見先生を誰が演じるのかが鍵ですね。岡田さんは、ギョロりとした目が財前らしいが、これまでの善のイメージを壊せるのか楽しみ。東先生の奥様は誰かな?まだ唐沢バージョンの印象が強烈に残っているので、どうしても比べてしまいます。
- 唐沢さんの財前先生の印象が強過ぎて誰がやってもあれを超えるのは難しそう。唐沢さんだけでなく他の俳優さんも全部はまり役でした。
- 唐沢寿明は田宮二郎を上回るような存在感を見せた。岡田准一が唐沢寿明を上回るような存在感を見せれるとは思えない。
- フジは当てつけとして再放送して欲しいわ全部録画する
- あの名物の回診が子供の給食当番みたいになりそう
- 江口唐沢より良くなるビジョンが見えない
- 身長的にせめてTOKIOの長瀬智也がよかった、、、
- 原作者死んだから許されたキャスティングだな
- 財前は玉木宏 里見はディーンフジオカ
- ビブリアの剛力や黒木もそうだがなぜ真逆のイメージの奴を使うんだ?岡田別に嫌いじゃないが、これは違うだろ
などのコメントが寄せられています。
『白い巨塔』は非常に人気が高い作品で、特に田宮二郎さん、唐沢寿明さんが主演した作品は高く評価されており、岡田准一さん主演の最新作にも楽しみという声が上がる一方で、不安という声も多く上がっています。
フジテレビ開局45周年記念ドラマとして、2003年10月期に唐沢寿明さん主演で放送された『白い巨塔』は、江口洋介さん、黒木瞳さん、西田敏行さん、石坂浩二さん、沢村一樹さん、上川隆也さん、伊藤英明さんなどの主演級の俳優陣が数多く出演しており、出演者たちの演技、脚本・演出も高く評価されていて、これを越えるのは難しいだろうとみている方が多い様子です。
ちなみに、唐沢寿明さん版の『白い巨塔』の平均視聴率は第1話が22.8%(関東地区)、その後も25%前後の高視聴率をキープし、最終回では自己最高の32.1%(関西地区は39.9%)、全21話の期間平均視聴率は23.9%となっており、2004年3月放送の特別版も26.0%(同32.0%)を獲得していました。
それからすでに15年が経過していますが、『白い巨塔』と言えば唐沢寿明さんというイメージがある方が多く、これまで財前五郎を演じてきた方と比較すると、岡田准一さんの身長(公称169cm)も少し足りないことも心配されているのですが、岡田さんは俳優として評価を受けている方なので、新たな『白い巨塔』でどういった演技を見せてくれるのか、そして他にどういった役者たちが出演するのか今後のキャスト発表にも注目したいところですね。