女性漫画家・荒川弘さん(ひろむ 44歳)原作の漫画『鋼の錬金術師』(通称:ハガレン)が、Hey! Say! JUMP・山田涼介さん主演で実写映画化され、12月1日よりついに公開がスタートするのですが、非常に人気が高い作品だけに原作ファンからは実写映画化に対し批判的な声が多く上がっています。
その中でも特に多いのは、キャストが全員日本人ということに対する否定的な声で、『鋼の錬金術師』は原作で「19世紀の産業革命期のヨーロッパ」を舞台にしており、実写映画ではイタリアで撮影を行うなどしているのですが、主演は山田涼介さんが務め、その他のキャストも本田翼さん、ディーン・フジオカさん、蓮佛美沙子さん、本郷奏多さん、夏菜さん、内山信二さん、松雪泰子さん、小日向文世さん、佐藤隆太さん、大泉洋さん、石丸謙二郎さん、國村隼さん、原田夏希さんと、全員が日本人です。
<↓の画像が、山田涼介さん主演の実写映画『鋼の錬金術師』ポスタービジュアル写真>
そして、ニュースサイト『シネマトゥデイ』の取材に対し、実写版『鋼の錬金術師』でメガホンをとった曽利文彦監督(そり・ふみひこ 53歳)が日本人をキャスティングした理由を明かしており、その発言に対してもネット上では様々な声が上がっています。
<↓の画像が、曽利文彦監督の写真>
曽利文彦監督さんは日本人キャストで実写映画化した理由について、「例えばイギリスのような具体的な国名が出ていたら、イギリスなのに日本人“だけ”しかいないとなれば違和感しかないと思います。しかし今回は架空の国で何も制約がなかったというところが大きかった。コミックスは日本語で描かれているので、セリフ一つにしても英語で言われるとしっくりこない部分が出てくると思います。」と説明。
<↓の画像は、アニメ『鋼の錬金術師』の写真>
また、原作者の荒川弘さんは日本人ということから、「ルックはヨーロッパ調であっても、登場する文化や人間の関係性やソウルの部分が確実に日本なんですよね。それを映画化する際にルックだけ合わせに行っても、『鋼の錬金術師』にはならないと自分は思っています。」「日本人が演じることで、荒川先生が描こうとしたテーマやキャラクターの人間性・関係性を全くズレずに描けると思う」としています。
<↓の画像は、実写版『鋼の錬金術師』で主演する山田涼介さん、ヒロインの本田翼さん>
もし、日本人ではなく欧米人をキャスティングした場合には、「外見はよりパーフェクトなものになるかもしれませんが、ハートの部分やソウルの部分は明らかに違うものになる。日本人キャストで、日本人が本作を手掛ける意味はそこにあると思います。」と、日本人のキャスティングにこだわった理由を明らかにしています。
また、日本人のキャスティングにこだわった理由はセリフにもあるそうで、「『鋼の錬金術師』には有名なセリフもありますけれども、日本人が気持ちを乗せて発したセリフが一番われわれに響くと思います。ルックはある程度寄せていけても、心の部分や文化の違いを寄せることは相当難しい。」といい、こうした面も日本人をキャスティングした大きな理由となっていて、自身が手掛けた実写版については「芯を捉えた『鋼の錬金術師』になったと自分は思いますね。」と自信を見せています。
曽利文彦監督は、『鋼の錬金術師』の実写版で日本人をキャスティングした理由についてこのように語っていたのですが、これを受けてネット上では、
- ハガレン実写化に手を出さないという選択肢もあったんじゃないかな?
- 原作に寄り添いたかったなら実写化するべきでなかったと思う
- 単に大人の事情でしょ。ルックスも大事な世界観要素、無視するならハナから実写化なんて、しなきゃ良いんだよ。
- 暗殺教室しかり、ジャニタレが主役という時点で実写化はただのコスプレショーにしかならない。銀の匙もジャニタレだったし、荒川さんほどの名作を生み出すヒットメーカーが、実写化の役者に恵まれないのが気の毒。
- どう見ても自分にはあれがエドには到底見えないんだよなぁ…本当にやる気ならエドは子役の子くらいの方が良かった。
- 日本映画の実写版は学園祭レベル 見るに耐えかねるレベル
- どうせ、爆死するだけでしょ 監督的にはネガティブなこと言えるわけないから、適当にこじつけでもいいわけ言っていればOK
- CMでウィンリィがエドに怒っているシーンを見て、実写化はやっぱり残念な感じにしかならなかったんだなと思った。演技のうまい下手とかではなく、ただの日本の女の子でしかなかった。
- ホムンクルス3人(松雪さん、本多くん、内山君)はまだありだと思うけど、あとはちょっと。主役もさることながら、ホークアイ役の蓮佛さんは純日本人顔なのに金髪はすごく違和感。せめて茶髪にしておけばいいのに。
- 外国人が演じて吹き替えを当てればよかったじゃん。見てもいないのに文句垂れるのはよくないとはおもうが、見たいという気持ちになれない。
などの批判的なコメントが殺到しており、実写映画化や日本人キャスティングに対して肯定的な反応を示している方は皆無です。
曽利文彦監督はインタビューの中で、実写版『鋼の錬金術師』については「ただコミックスの“再現”をするという気持ちは全くありませんでした」「荒川先生が描いているテーマや芯の部分がズレていなければ、実写のオリジナリティーがあっても許していただけるのではないかと考えました。」とも語っているのですが、こうした発言に対しても「それならオリジナルでやれよ」などの批判が噴出しています。
今回の『鋼の錬金術師』と同様の騒動は、2015年に『進撃の巨人』が実写映画化された際にも起きています。
『進撃の巨人』についても、中世ヨーロッパの雰囲気を漂わせた架空の世界が舞台になっており、キャラクターのヴィジュアルも日本人が演じると違和感を抱くものだったため、公開前より原作ファンから猛バッシングを浴びることになりました。
<↓の画像は、アニメ版『進撃の巨人』>
<↓の画像は、実写版『進撃の巨人』>
作品の評価も非常に低く、前編については話題性も高かったからか最終興行収入32.5億円を記録したものの、後編は16.8億円と半分近い数字にダウンしており、失敗の多い実写映画の中でも特に酷評された作品となりました。
『鋼の錬金術師』についても全国公開前の時点で、試写会で作品を観た方などから酷評のレビューが多数寄せられており、映画の情報・レビューサイト『Yahoo!映画』でのレビュー平均点数は、27日13時の時点で【2.22点(5点満点中)】という低評価となっています。
やはり、出演者たちのビジュアルに対する不満、その他にストーリーやCGといった部分に対しても否定的な声が多く見受けられ、公開前から大コケすると予想されているのですが、やはり『進撃の巨人』の二の舞いになってしまうのでしょうか。