ドラマ『北の国から』『前略おふくろ様』『やすらぎの郷』シリーズなどを手掛けた脚本家・倉本聰さん(くらもと・そう 88歳)が、ジャニー喜多川さんの性加害、ジャニーズ事務所からの圧力、テレビ局の忖度について語り、ネット上で大きな反響を呼んでいます。
倉本聰さんは、ビジネスメディア『財界オンライン』のコラムで【ジャニーズ事件】と題して、「ジャニーズの問題が遂に、というか漸(ようや)く表沙汰になった。かなり前、そう10年、20年ではすまない昔から僕らの業界では当たり前のように知られていた話だが、漸く断罪される時が来たらしい。何年前だったか、ある売り出しの女優を番組に起用しようとしたら、テレビ局から待ったがかかった。その女優がジャニーズのタレントと一寸トラブッたことがあったらしく、その女優を使うなら今後おたくの局から全ジャニーズ関連のタレントを引き揚げると脅されて、だからその女優は使えないのだと申し訳なさそうに局から言われた。その横暴さに唖然としたことがある。」
と、ジャニーズ事務所お得意の手段でキャスティング変更を余儀なくされたと明かしています。
<↓の画像が、ジャニーズ事務所の圧力を告発した倉本聰さんの写真>
続けて、「芸能界には昔からそういう暴力団的風潮があって、いくつかの大手プロダクションには逆らえないという都市伝説的奇怪な掟がある。何度か敢えてそういう掟に、無鉄砲に逆らってケンカしたことがあった」
としています。
倉本聰さんはこれまでに、ジャニーズタレントが出演の作品も数多く手掛けており、嵐・二宮和也さんは2005年1月期放送の『優しい時間』(フジテレビ系)、2007年1月期放送の『拝啓、父上様』(同)で主演を務め、倉本さんからも演技を絶賛されていました。
<↓の画像は、倉本聰さん脚本ドラマ『拝啓、父上様』出演の二宮和也さん、横山裕さんの写真>
この他に倉本聰さんの作品にはこれまでに、風間俊介さん、関ジャニ∞・横山裕さん、Kis-My-Ft2・宮田俊哉さん、A.B.C-Z・戸塚祥太さん等が出演しています。
複数の作品でジャニーズタレントと仕事をしてきた倉本聰さんの告白に対してネット上では、
- 結局、ほとんどの大御所の人達は「知らなかった」っていうレベルじゃなく「熟知していた」っていうレベルなんでしょ。
ジャニーズだから良いとかダメではなく、ダメなものはダメと大御所や大先輩達は声を上げて下さい。その姿を見て後輩達はお手本とするんです。良いお手本も悪いお手本も示せる貴重な存在なんです。 - ジャニーズだけじゃなく他の事務所でもあったと思う。あんなに売れてたのに事務所辞めたら見なくなったり変なトラブルの噂が立ったり。怖い世界。夢を持って入ってくる人達のために変わって欲しい
- ジャニーズ事務所のタレントを、「タレントには罪がない」と立川志らくや田村淳、他のコメンテーターが擁護しているけど、そもそも自分の実力で今の地位を掴んだのなら良いけど、事務所の力で実力も無いのにテレビに出演していた人は淘汰されるのはしょうがないと思うけどなぁ。
- 「暴力団的風潮—」分かりやすいコメントだ。ジャニーズ事務所所属のタレントが不祥事を起こしても何故か途中でフェードアウトになって情報が消える事は何度かあった。
俗に言う揉み消しでメディアも逆らえなかったと言う事。これからは容赦しないで暴露して下さい。
例えファンなどから叩くなと批判されても真実を報道する義務があると誇りを持って戦って下さい。 - ジャニーズ事務所が性加害と向き合っても、テレビ局の体質が変わるわけではない。
なんとなく今は性加害問題が解決したら万事めでたしのような流れを作っているが、この体質を変えなければ何度でも同じことが起きるのでは?
などの声が上がっています。
ジャニーズ事務所の圧力に関しては噂レベルではなく、実際にあったと複数の業界関係者等によって告発されており、『松竹』の元専務取締役で映画プロデューサー・映画監督の奥山和由さんはSNSで、メリー喜多川さんから圧力を掛けられたことを明かしています。
奥山和由さんは、1988年にシブがき隊が解散し、ジャニーズ事務所を退所した“モッくん”こと本木雅弘さんを自身が手掛ける映画にキャスティングしたところ、メリー喜多川さんから「よく考えて」と言われ、それに対して「ダメならハッキリそう言ってください」と返答したところ、「ダメとは言わない、もう一度よく考えて」とあくまでも制作サイドに判断を委ね、最終的に本木さんを起用した結果、「あれ以来ジャニーズ事務所、出禁的待遇」と、ジャニーズ事務所とは仕事が出来ない関係になったと明かしています。
2021年8月にメリー喜多川さんが亡くなった際に、今月に新社長に就任した少年隊・東山紀之さんは、メリーさんが言っていた「私はタレントを守る為なら、いくらでも悪人になります」との言葉が忘れられないと紹介し、「私たちを常に守り、その美学の中で私は人生を歩み進める事が出来ました。」と、メリーさんが行っていた強引な行為、圧力に対して肯定的とも取れるコメントを出していました。
ただ、7日に行った会見で東山紀之さんはジャニーズ事務所の圧力に起因するメディアのジャニーズ忖度について問われると、「忖度は必要ない」「忖度とか関係なく、公平に行くべき」と語っていましたが、果たして新会社を設立して再出発を果たし、業界全体で著しい変化はみられるでしょうかね。