民放キー局が中心に運営する民放公式の番組無料配信サービス『TVer』が、今年4~6月期の「番組再生数ランキング」を発表し、このランキング結果や実際の視聴率から、嵐・櫻井翔さんと広瀬すずさんがW主演したドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)の映画化が、消滅の可能性もあるとニュースサイト『日刊大衆』が伝えています。
『Tver』の発表によれば、今年4月1日~6月30日にかけて同サイトで配信した番組の中で、最も再生回数が多かったのが、北川景子さんと瑛太さんが共演のドラマ『リコカツ』(TBS系)だったとし、全10話の再生回数は歴代最高となる1,979万回だったとしています。
次いで2位には、川口春奈さんと横浜流星さん共演のドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)で歴代2位の1,866万回、3位は阿部寛さんと長澤まさみさん共演の『ドラゴン桜2』(同)で1,636万回。
4位は石原さとみさんと綾野剛さん共演の『恋はDeepに』(日本テレビ系)で1,470万回、5位は松たか子さん主演の『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)で1,316万回となっており、総合ランキングTOP10は全てドラマという結果でした。
なお、1位になった『リコカツ』は全話の期間平均視聴率が9.1%、2位の『着飾る恋には理由があって』は8.0%、3位の『ドラゴン桜2』は14.8%、4位の『恋はDeepに』は8.4%、5位の『大豆田とわ子と三人の元夫』は6.1%で、リアルタイム視聴率が2ケタに届かなかったドラマも、『Tver』では高い再生回数を記録していました。
『日刊大衆』によれば、現在各テレビ局ではコア視聴率(13~49歳の視聴割合)に加えて、『Tver』など動画配信サービスでの再生回数も重要視されつつあり、『Tver』はCMも入ることからテレビ局の収益にも繋がるため、番組を評価する指標の1つになっているそうです。
そして、民放局の公式無料動画配信サービス『Tver』が今回発表したランキングで、『ネメシス』は8位にランクインしており、全10話の再生回数は1,081万回でした。
4月期に日本テレビ系で放送のドラマの中では最も再生回数が低く、1位の『リコカツ』と比べると半分程度で、リアルタイム視聴率も全10話の期間平均視聴率が8.6%という結果でした。
この結果に対して『日刊大衆』の記事では制作会社関係者が、「嵐の櫻井翔さんと広瀬すずさんという国民的スターの2人がダブル主演を務めたにも関わらず、最初から視聴率は不調で、視聴者からも『つまらなかった』という声が多数上がってしまいました。(中略)最終回を迎えてからも『なんのひねりもなく、超つまらない終わり方』『最終回でこんなに盛り上がらないとは思わなかった』という声もありましたからね。視聴率も振るわず、再生回数もそこまでではなかったため、映画化にも暗雲が立ち込めそうです」
と語っています。
現在は民放各局がドラマの映画化に力を入れていて、それはテレビ不況によるCM収入の減少にあるとし、山下智久さんが主演を務め劇場版も大ヒットした『コード・ブルー』のような作品を生み出そうとしているといいます。
しかし、『ネメシス』はリアルタイム視聴率だけでなく『Tver』での再生回数もイマイチだったため、「『映画化すること自体どうなの?』という話にもなりかねないでしょうね。嵐の櫻井さん、広瀬さんという2人で映画も大コケしたらさすがに大問題ですよね…」
と、前出の制作会社関係者が語っています。
『ネメシス』の映画化は公式に発表されている情報ではないものの、ドラマ制作が正式発表される前の昨年10月に週刊誌『週刊文春』が、「ドラマの後は映画化を見据えている大型プロジェクト」と伝えており、その後も複数のメディアがすでに映画化決定済みとの情報があるとしていました。
そうした情報を裏付けるように、『ネメシス』は22時半から23時台にかけてのドラマにも関わらず、制作・キャスト陣が非常に豪華で、主演の櫻井翔さんと広瀬すずさんの他にも、江口洋介さん、橋本環奈さん、仲村トオルさん、勝地涼さん、真木よう子さん、大島優子さん、中村蒼さん、KAT-TUN・上田竜也さんなど、主演級の役者が顔を揃えており、各話に豪華ゲストが登場し、脚本・総監督を務めた入江悠監督は、『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『22年目の告白 -私が殺人犯です-』、『AI崩壊』などを手掛けています。
そのため、『ネメシス』の映画化は間違いないとみられていたのですが、初回平均視聴率は11.4%と、日曜ドラマ枠としては高い数字を記録したものの、第2話以降は7~9%台で推移し、最終回も8.6%と伸び悩んでおり、それに加えて『Tver』での再生回数も低いとなれば映画化が頓挫し、白紙となる可能性は十分あるとみられます。
日曜ドラマ枠で放送された作品では、田中圭さんと原田知世さんがW主演した『あなたの番です』が映画化されており、この作品は2クール(6ヶ月)放送してから1年半後の今年3月に、パラレルワールドを舞台とした劇場版が制作されることが発表されました。
『あなたの番です』は、地上波放送終了後の展開が物議を醸しながらも、後半に高視聴率を記録していたこともあって映画化が決定したとみられますが、『ネメシス』もある程度の期間を置いて映画化となるのか、それとも白紙となってしまうのか今後の展開に注目したいですね。