ジャニーズ事務所に所属するタレントたちのファンクラブを運営する母体組織『ジャニーズファミリークラブ』(略称:JFC、ファミクラ)に対し、NPO法人『消費者被害防止ネットワーク東海(Cネット東海)』が昨年10月、会員規約の改正を申し入れていた問題で、両者の間で協議が整ったと消費者庁が23日に発表しました。
『Cネット東海』は昨年10月に公式ホームページで、『ジャニーズファミリークラブ』に対して「同クラブが使用している会員規約につき、消費者保護の観点から検討をした結果、消費者契約法に鑑み、消費者の利益を害し不当ないし不適切と思われる条項がありました。」と、規定されている会員規約にいくつかの問題点があるとして、規約の改正申し入れを行ったことを報告しました。
『Cネット東海』がこのような申し入れをしたきっかけとなったのは、消費生活相談窓口へ「SMAPのファンクラブの会員特典が一方的に変更された」「会報が年4回から不定期発行になった」といった情報が寄せられ、『ジャニーズファミリークラブ』が定める会員規約を確認したところ、おかしい内容があったため申し入れを行いました。
『Cネット東海』側が問題視した規約は以下の5点でした。
- 「会員は、タレントファンクラブの会員特典を受けることができます。会員特典の内容は随時変更されます。」
- 「JFCは、本規約を予告なく改定することがあります。改定された本規約については、JFCより告知されるものとし閲覧可能となった時点から効力を有するものとします。」
- 「退会処分とされた会員は、損害賠償等の一切の権利行使ができません。」
- 「タレントおよびジャニーズ事務所は、タレントファンクラブのサービスに関し、いかなる責任も負わないものとします。」
- 「会員が資格を喪失した場合、理由の如何を問わず、支払い済みの入会金および年会費の返還はできません。また、退会処分とされた会員は、損害賠償等の一切の権利行使ができません。」
以上5ヶ所について、消費者契約法に基づいて無効だと『Cネット東海』は判断し、昨年10月に申し入れを行いました。
その後、両者の間でやり取りが行われ、今年6月1日付で『ジャニーズファミリークラブ』が規約を改訂したことを『Cネット東海』へ報告し、その内容が申し入れの主旨に沿う改訂内容だと判断し、7月25日付けで申し入れ終了書を送付していました。
そして、『Cネット東海』の申し入れによって、会員規約を予告なく改訂できるといった部分が「変更を行う前の規約の目的に反しない範囲で、合理的かつ相当な変更をおこなうことがある」、「変更の内容については相当期間、周知を図る」、「一定の期間、会員は不服を申し立てることができる」などと変更されたのですが、今回の件に対してネット上では、
- 殿様商売を通り越して俺様商売だったな。よく今まで問題にされなかったよな
- ファンクラブ会員規約なんてけっこういいかげんなものも多いと思うけど、ジャニーズ規模でのこれまでの殿様商売には驚く。ファンの人達はこれまでずっとタレントを人質に取られてるような状態だったのでは?
- ジャニーズ事務所はファンを金づるにしか見てないんだろうな。今まで泣き寝入りしてきたファンがたくさんいる。手数料問題もあるし、まだまだ。
- 結局、SMAP ファンには適用されず、返金詐欺や、会報も送ってこず、記念の写真集は普通郵便で送って、届かない人もいたね。口ばっかりで、人を見下してたね。
- ライブの申し込みに手数料が必要で、抽選で当たっても当たらなくても手数料は返さないとかひどい商売してるよね。
- SMAP騒動がなかったら、消費者庁や団体からこんな指摘も受けずに済んだかもな~身から出た錆。裸の王様。今頃後悔しても遅いわなww
などのコメントが寄せられています。
『ジャニーズファミリークラブ』の会員規約の内容については、以前からファンの間で疑問視する声や否定的な声が多く上がっていたのですが、『NPO法人あいち消費者被害防止ネットワーク』の理事・検討委員を務めている伊藤陽児弁護士によると、ジャニーズのファンからはこの件で「文句をいうとブラックリストに載ってしまうのではないか。そういうふうに怖かったので声を上げられなかった」「当たり前のことだと思い込んでしまっていた」というメールや手紙が寄せられたといいます。
また、ジャニーズ事務所側が重い腰を上げて規約の改訂を行ったのは、ネット上でも話題になったことが大きいのではないかと推測し、会員規約以外にもジャニーズ関連の情報が現在多く寄せられているため、申し入れを行うかどうか検討していることなども明かしています。
なお、『Cネット東海』は、ジャニーズ事務所の傘下企業で、ジャニーズの興行などを主催している『株式会社ヤング・コミュニケーション』に対しても、チケットの販売規約を見直すよう申し入れ、これについても今年6月に規約が改訂されました。
しかし、チケットの販売規約改訂が行われたことによって、いかなる理由、条件でも他人に譲渡・転売することはできず、当選チケットは本人もしくは同行者のみ入場可能となっているため、転売を禁止する目的だとしてもルールが厳しすぎるという声も上がっています。
嵐など人気ジャニーズグループのコンサートのチケットなると、転売サイトでは定価の数倍から数十倍で販売されているものもあり、こうした部分にメスを入れた形になっているのですが、もしもやむを得ずコンサートに行けなくなった場合には、チケット代金の返金といった救済措置、公式にチケットを譲る場などを設ける必要があるのではないかと指摘されています。
『Cネット東海』の申し入れを受けて規約は改訂されたものの、まだまだ問題点は多々あり、ファンからは不満の声が多く上がっている状況にあるため、引き続き少しずつでも改善を図っていってほしいものですね。