今年も歌手・槇原敬之さんや俳優・伊勢谷友介さんなど、複数の著名人が違法薬物事件などで逮捕されましたが、ジャニーズ事務所が所属タレントに対して薬物検査を実施していたことを15日発売の週刊誌『女性自身』が報じています。
『女性自身』によれば、ジャニーズ事務所は11月末から所属タレント約400人を対象に薬物検査を実施したといい、今後も薬物検査は半年に1度のペースで継続していくとのことです。
ニュースサイト『日刊サイゾー』によると、ジャニーズ事務所の薬物検査実施にテレビ局や広告代理店も歓迎ムードだそうで、「正直、テレビ局としては事前の薬物検査は非常に助かる。しかし、正直芸能プロに対してそれを強要するのは難しい。事務所は事務所で、タレント個人個人に『検査を受けてくれ』と言うのは信頼問題にもかかわるから言いづらさがあるといいます。しかし、今回ジャニーズが率先して旗振り役になってくれたのは、業界的にはありがたい話だと思う。『ジャニーズもやってるからうちも』と続いてくれると助かりますね」
とテレビ局関係者が語っています。
ジャニーズ事務所では過去に、元光GENJI・赤坂晃さんが薬物事件で逮捕され契約解除となり、逮捕はされていませんが嵐・大野智さんも2008年に『週刊現代』によって、大麻使用疑惑などを報じられ話題となりました。
<↓の画像は、大野智さんの大麻使用疑惑報道の写真>
中堅芸能事務所関係者は、「特に大野の大麻報道はその後結構、尾を引いたんですよね。しかも当時この報道に関しては事務所内でもアンタッチャブル扱いで、メディアへ箝口令もしいて“一切無視する”ことで事なきを得た。つまり、大野に対して薬物検査などは行われなかったんです。でも、もし今似たような報道が出た場合は薬物検査は必至だし、メディアへの影響力も落ちているジャニーズですから大野の時のように黙殺することは不可能でしょう。一斉薬物検査はジャニーズにとっても、過去の失態を鑑みてタレントにプレッシャーをかける意味合いもあるでしょう」
としています。
近年、毎年のように人気芸能人が薬物事件で逮捕され、CMなどに起用していた企業も大きなダメージを負っており、広告代理店などはCM制作にあたって、薬物検査を受けるという項目を契約事項に盛り込むこともあるそうで、NHKについては番組にキャスティングする際に身辺調査を行うといいます。
前出のテレビ局関係者はその理由について、「NHKはいま特に薬物にはピリピリしている。今年の紅白歌合戦なんかも、少しでも薬物使用の噂が出たことのある歌手に関しては極力除外したそうです。『いだてん』のピエール瀧、『麒麟がくる』の沢尻エリカと大河ドラマが2作続けて薬物トラブルで迷惑を被ったわけですから、神経質になるのも致し方ない。ジャニーズは、昨年から滝沢秀明副社長がNHKに熱心に営業をかけており、大河や朝ドラにジャニーズのタレントを売り込んでいるので、薬物検査実施はNHKへのアピールという側面もありそう」
と語っています。
NHKに関しては今年4月以降、大河ドラマやNHK連続テレビ小説(朝ドラ)など、定時に放送のレギュラー番組の出演者に対して正式契約を交わす前に、違法薬物の所持・使用や反社会的勢力との関わりが無いことを誓約する書面の提出を求めています。
これについてNHKの木田幸紀放送総局長は、「NHKは公共放送として反社会的行為を容認することはできない。出演者については所属事務所を通じて事前に確認作業をしてきたが、より確実に行っていく。一種の抑止効果はあるのではないか」
と語っています。
ただ、これは契約書ではないため罰則などは設けられていません。
そして、事務所単位での抜き打ち薬物検査はジャニーズ事務所だけでなく、爆笑問題などが所属する『タイタン』、業界大手の『ワタナベエンターテインメント』なども実施しており、多くのタレントを抱える事務所が積極的に検査を実施するのは良い流れで、ジャニーズ以外の事務所も一度だけでなく定期的に行うようになったらと思います。
芸能人による違法薬物事件が多発していることも芸能界全体のイメージ悪化の要因になっていますし、様々な作品にも大きな影響を与えてしまうだけに、これからテレビ番組等の出演契約では事前の薬物検査を必須項目として、少しでもトラブルを減らしていってほしいですね。