国の行政機関『公正取引委員会』が17日までに、SMAPの元メンバーでジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人に対して、ジャニーズ事務所がテレビ局側に番組出演させないよう圧力をかけていた疑いがあり、これが独占禁止法違反(不公正な取引方法)に繋がる可能性があるとして、ジャニーズ事務所に注意をしていたことが明らかになりました。
関係者の話によると、ジャニーズ事務所から独立した3人に対してジャニーズ事務所が、3人を番組に起用しないように民放テレビ局などに要請し、従わない場合には、ジャニーズタレントをそのテレビ局には出演させないことを示唆するなどした疑いがあるといいます。
こうした情報が寄せられたことを受けて、公正取引委員会はジャニーズ事務所の関係者などから聞き取り調査などを実施したところ、具体的な圧力や直ちに違反になる行為は認められなかったものの、独占禁止法違反に繋がりかねない状況があったと認定し、7月に入ってから注意をしたとのことです。
独占禁止法違反では、芸能活動にあたり必要な契約成立の阻止をするなど、不当に妨害する行為を不公正な取引方法の1つとして禁止しています。
公正取引委員会は、タレントに対して無理な契約を強いていることによって、事務所からの独立、移籍をめぐってトラブルが頻発していることを問題視し、昨年2月に報告書をまとめ、こうした関係が独占禁止法違反に抵触する恐れがあるとして具体的な事例を公表した上で、独立や移籍後の活動を制限などする行為は、独占禁止法では問題になる可能性もあるとしていました。
そして、ジャニーズ事務所も独占禁止法違反に繋がる行為をしていた疑いで調査を受け、結果的には違反行為は認められなかったものの、繋がる恐れがあったため、違反を未然に防ぐために今回注意という処分が下されたとのことなのですが、これに対してネット上では、
- 普通にテレビ局側が事務所に忖度しているのかと思っていたら、事務所側が法に触れる事までやっていたのですね。
- 公取委が介入するのは余程悪質だったという事、これまで闇の疑惑は山とある事務所の事、これだけでは終わらないだろう。
- ジャニーズ最低だな。今までどれだけ稼いで貢献しても、こういう仕打ちをする事務所。
いま在籍のタレント達も明日は我が身。どれほど頑張ってもこんな事をする事務所にいる自分をよく考えたほうがいい。 - 民放テレビ局が、ジャニーズ事務所に忖度無くしっかり報道するかが見物。具体的にどういう圧力があったのか一番詳しく知っているはず。
- 注意で済む話なの?その辺の対応にも疑問を抱いてしまう
- 明日のワイドショーで取り上げ無かったらテレビ局も共犯の認識で良いかな?
- 「公然の秘密」で、驚いている人は皆無と言っても過言ではないでしょうが、公正取引委員会の当然の行動には敬意を表します。
ジャニーさんの「功」がいかに大きかったとしても、事務所としての「罪」については、メディアも含めて、当然ながら、毅然とした対応をしてもらいたいと思います。 - 絶大な影響力をもつ事務所創設者が亡くなられた今こそ追及の機会だと、公取委は判断したのでしょう。
長年にわたって芸能界のタブーとされてきた問題を明らかにして、ジャニーズタレントを含む全ての芸能人が才能を発揮しやすい環境を、業界全体で作り直して欲しい。
などのコメントが寄せられています。
単にジャニーズ事務所が圧力を掛けるだけでなく、ジャニーズの力があまりにも大きいことによって、関係を少しでもよくするためにテレビ局側が忖度し、ジャニーズ側が出演を好まない退所者らを番組から排除していた部分もあるとみられています。
新しい地図の3人をめぐっては、SMAP解散からジャニーズ事務所を退所するまでに、それぞれの複数のレギュラー番組が謎の打ち切り終了を迎えており、香取慎吾さんMCの『SmaSTATION!!』、草彅剛さん出演の『「ぷっ」すま』などが代表的な番組で、突然の終了には視聴者から悲しみや怒りの声などが上がり、ジャニーズ事務所の圧力なのではないか、テレビ局側が忖度して終了させたのではないかなどの憶測が飛び交っていました。
また、3人が退所後に出演したイベントなどの話題を民放各局の情報ワイドショー番組がスルーしたり、出演シーンを意図的にカットしたりと、露骨な編集をしていたことでも非難の声が上がっていたのですが、今回公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意をしたことによって、これから少しずつでも地上波の番組でも、新しい地図の3人のほか、ジャニーズ事務所を退所したタレントたちの姿が見られるようになったらと思います。
ちなみにですが、ジャニーズ事務所による圧力については、『週刊現代』や『フライデー』などの週刊誌で編集長を歴任した元木昌彦さん(73)が言及しており、1981年4月にジャニー喜多川社長のタレントに対するセクハラ疑惑などに関する記事を出したところ、ジャニーズ事務所側から「今後、講談社には、一切うちのタレントを出さない」という通告があったと明かしています。
その後、元木昌彦さんは別雑誌の部署へと異動になったといい、講談社は裏で元木さんを飛ばすことでジャニーズ事務所と手打ちという形にしていたといい、これでジャニーズ事務所は味を占めて、その後も同様の手法でメディアをコントロールするようになったのではないかとしています。
この他にも、1980年代から現在まで数多くの有名アーティストを手掛けている音楽プロデューサーで、作曲・編曲家の福田裕彦さん(62)もツイッター上で、32年前の『日本レコード大賞』で、ジャニーズ事務所から「××にレコ大よこさなければ今後お前の局にはうちのタレントは一切出さない」という通告があり、本番数日前に大賞の受賞者が変更になったことを暴露しています。
<↓の画像が、福田裕彦さんのツイート写真>
なお、32年前のレコ大では“マッチ”こと近藤真彦さんが『愚か者』で大賞を受賞しており、この年は恋人の中森明菜さんのレコ大3連覇が掛かっていたほか、この年に大ヒットした瀬川瑛子さんの『命くれない』、五木ひろしさんの『追憶』が本命視されていました。
【追記 7/17 23時40分】
ジャニーズ事務所が17日にコーポレートサイトを更新し、「弊社がテレビ局に圧力などをかけた事実はなく、公正取引委員会からも独占禁止法違反行為があったとして行政処分や警告を受けたものでもありません。」
と圧力疑惑を否定しています。
その上で、「このような当局からの調査を受けたことは重く受け止め、今後は誤解を受けないように留意したいと思います。」
としています。
<↓の画像が、ジャニーズ事務所発表のコメント写真>