岡本カウアンが性被害告発会見し、藤島ジュリー景子社長がジャニー喜多川の性的虐待問題の対応開始で注目集まる

元ジャニーズJr.で歌手・岡本カウアンさん（別名＝カウアン・オカモト 26歳）が12日に日本外国特派員協会で記者会見を行い、ジャニーズ事務所の前社長・ジャニー喜多川さん（享年87）から過去に性被害を受けことを公表し、この問題を受けてジャニーズ事務所が所属タレントや社員等に対して、聞き取り調査をしていたことが判明し注目を集めています。

ジャニーズ事務所は取引先企業に文書で聞き取り調査の実施を報告し、現時点では社内ヒアリングのみで調査は十分ではないとしながら、「現在在籍の社員、タレントからは、現時点では問題となる点は確認されておりません」としています。

この文書は、ジャニー喜多川さんの姪で事務所代表・藤島ジュリー景子社長名義で出され、ジャニーさんは2019年7月に亡くなっているため、全ての事実確認は難しい状況としながら、「私たちは本件につき、問題がなかったなどと考えているわけではございません」「メディアでの報道、告発等については真摯に受け止めております」などと、事務所の見解を記しています。

具体的な対応についても報告し、「社員及び在籍タレントに対して相談の窓口を設け、ヒアリング及び面談を実施してまいりました。また今回、退所されたタレントの会見後も、あらためて同様のヒアリングを行いました」としています。

元所属タレントに関しては個人のプライバシーなど人権に配慮した上で、「弊社から独立した立場で行える外部専門家の相談窓口の設置、個別対応を行う準備を進めております」としています。

また、事務所の経営体制の見直しを図り、「特定の個人に情報や権限が集中することを防ぐため、社外から取締役を迎えます」「タレント育成現場や活動の場においても、専門家や中立性のある窓口への相談が可能な体制・制度を現在準備しています。この件については在籍タレントたちと共に整えていきます」と報告しています。

なお、『朝日新聞』がジャニーズ事務所にこの文書について確認したところ、「現時点ではお答えできない。近々発表する」と回答したとのことです。

そして、ジャニーズ事務所が所属タレント等に対する聞き取り調査を開始したことにネット上では、

• 聞き取りではなく、口封じなのでは？
• 正直に答えても揉み消されそう
• どんどん告発してほしいけど無理だろうね
• 売れてる人はあっても答えないでしょ
• 「はい、被害をうけました」って言ったら干されるのわかりきってる
• 調査は第三者機関がやった方がいい
• 結局は「そのような事実はありませんでした」ってオチになりそう
• ここでカミングアウトできたらいいけど、今の地位を捨ててまでやられたって言える人いるのかしら
• こんなに長い間隠蔽してきた会社に、誰が本当の事を話すの？また隠蔽するかもしれないのに、踏み絵みたいな状態になるのでは？
• ずっと隠蔽してたとこがやる聞き取り調査に素直に話してもメリットないだろ
• あんな軍隊なみに強烈な縦社会でまだデビューもしていないジャニーズjrの中高生が「セクハラされました」なんて言えるわけないよね

などの声が上がっています。

ジャニー喜多川さんはジャニーズ事務所を設立した1960年代から、複数の少年に対する性的虐待行為が発覚しトラブルになっており、1964年に裁判にまで発展しています。

この問題は週刊誌などにも取り上げられ、1980年代以降になると元タレントたちが暴露本を出版し、ジャニー喜多川さんから受けた性被害を告発し、1999年には『週刊文春』が元ジャニーズJr.たちの証言を交えて性的虐待行為を糾弾、後にジャニーズ事務所は名誉毀損で訴えて裁判に発展し、ジャニーさんの性加害は事実認定されました。

また、この裁判でジャニー喜多川さん本人が「彼たちはウソの証言をしたということを、僕は明確には言い難いです」と述べ、元ジャニーズJr.たちの証言を否定しませんでした。

ジャニー喜多川さんはその後も性的虐待行為を続け、会見を起こった2012年入所の岡本カウアンさんだけでなく、ジャニーズJr.のグループ『7 MEN 侍』の元メンバーで2011年入所の前田航気さんが、2021年にニュースサイト『ARAMA JAPAN』のインタビューで、ジャニー喜多川さんがジャニーズJr.に対して性的な行為をしていたことを明かし、ジャニーさんはデビューを決定する特権を持っていたため、中にはジャニーさんと関係を持つことを望むジュニアもいたと明かしています。

他にも複数の元所属タレントがジャニー喜多川さんの性的行為を告白していたものの、ジャニーズ事務所側はこの件については完全スルーを続け、前田航気さんのインタビューに関してはどこからか圧力がかかったのか、ジャニーさんに関する発言は後に削除されました。

そして、岡本カウアンさんの会見を受けてジャニーズ事務所がついに調査に乗り出したものの、現時点で所属タレントや社員からは被害報告等は上がっていないといい、所属タレントへの調査は事務所が実施していて、正直に答えても特にメリットが無いことから当然の結果と言えます。

事務所側が不都合な回答を隠蔽する可能性もあるため、ネット上ではこの調査では不十分との指摘や、第三者機関を設けて調査を行うべきとの声も多く上がっていますが、実態の把握に向けてどこまで本気で調査を行うのか見もので、引き続き動向を見守っていきたいですね。