ジャニーズ事務所に所属するグループの公式ファンクラブを運営している組織『ジャニーズファミリークラブ』(略称:JFC、ファミクラ)に対し、NPO法人『消費者被害防止ネットワーク東海』が会員規約の変更を求める申し入れ書を送付していたことが判明し、現在大きな注目を集めています。
『ジャニーズファミリークラブ』では現在、少年隊をはじめ、TOKIO、嵐、KinKi Kids、関ジャニ∞、Sexy Zoneといった各グループのファンクラブの運営を行っており、それぞれのグループのファンクラブへの入会には、入会金として1000円、年会費として4000円の計5000円を振り込むというシステムとなっています。
ちなみに、年内で解散することが発表されているSMAPについては、新規入会手続きと更新手続きについては現在停止中。
会員特典としては、シリアルナンバー入りのメンバーズカード、年4回の会報、コンサート・舞台などのチケット優先予約、テレビやラジオ、映画試写会イベントへの観覧募集、記念品などがあり、ジャニーズタレントの多くのファンが入会しており、嵐のファンだけで会員数は200万人にも上るとも言われています。
そんな『ジャニーズファミリークラブ』に対して、申し入れを行っていたことが広く知れ渡る事になったのは11月16日のことで、消費生活専門相談員&消費生活アドバイザーをしているというツイッターユーザーが、『消費者被害防止ネットワーク東海』が10月18日付で、『ジャニーズファミリークラブ』に対して申入書を送付していたという情報をツイートし、これがファンの間で拡散され話題になりました。
『消費者被害防止ネットワーク東海』の公式ホームページを見てみると、トピックスに「2016年10月18日付けで、ジャニーズファミリークラブに対して、申入書を送付しました。」という報告が上がっており、「同クラブが使用している会員規約につき、消費者保護の観点から検討をした結果、消費者契約法に鑑み、消費者の利益を害し不当ないし不適切と思われる条項がありました。」として、送付した申入書のPDFをサイト上で公開。
また、「2016年11月18日付けで、ジャニーズファミリークラブからFAXで回答書が届きました。しばらく回答猶予をして欲しいとの連絡です。」という報告もしています。
<↓の画像は、申入書の写真>
『消費者被害防止ネットワーク東海』側が求めている会員規約の変更は大きく分けて3つで、会員規約第2条に記されている「予告なく改訂することがあります。改訂された本規約については、JFCより告知されるものとし閲覧可能となった時点から効力を有するものとします。」に対して、「閲覧可能となった時点から」という部分については不当で、変更内容によっては消費者契約法10条に抵触し無効だとし、会員の不利益になるような規約の変更があった場合には、インターネットやその他の適切な方法によって、会員に通知を行うべきと指摘し、変更を要請しています。
また、「免責、損害賠償請求権の放棄」の第4条「強制的な会員資格の抹消」として記されている「会員もしくは入会申込をした者が、各条件を満たしている場合でも、会員を退会処分とする場合があります。」、「退会処分とされた会員は、損害賠償請求等の一切の権利行使ができません。」という規約に対して、「一切の権利・債権を自動的に失う」「損害賠償等の一切の権利行使ができません」などといった部分は不当だとしており、事業者側の事情によって会員を強制退会させる場合には、損害賠償などを求める権利を奪ってはならず、消費者契約法8条に抵触しないよう規定を改めることを求めています。
最後に、「退会、会員資格喪失の場合の年会費の不返還」の第4条では、「会員が資格を喪失した場合、理由の如何を問わず、支払済みの入会金および年会費の返還はできません。また、退会処分とされた会員は、損害賠償請求等の一切の権利行使ができません。」とされているものの、「理由の如何を問わず、返還しない」という点については不当であり、消費者契約法9条に抵触するとし、事業者側の都合によってファンクラブを終了する場合には、契約の残期間に応じて、年会費はを返還すべきだとしています。
そして、これらの指摘に対して、『ジャニーズファミリークラブ』側が来年にも見直すことが分かったと23日付の『朝日新聞』が報じており、同紙の取材に対してジャニーズ事務所は、「以前から見直しに着手しており、近く完成させたい」と回答したとのことです。
今回の申し入れのきっかけとなったのは、SMAPファンからの声だったそうで、ニュース&エンタメサイト『BuzzFeed Japan』によると、今年6月に愛知県の消費生活センターにSMAPのファンから「ファンクラブの会員向けの情報が事前に報道された。会費を払っているメリットが見えない」という内容の相談があり、これを元に具体的な対応が出来るのか検討してほしいと消費生活センターが『消費者被害防止ネットワーク東海』に要請。
その相談を元に指摘をまとめ、10月18日付で申入書を送付したとのことです。
同法人は、今年3月にも宝塚歌劇団のファンクラブ『宝塚友の会』に対し、会員規約の改善を申し入れ、その数ヶ月後に規約が改訂されたという実績を持っているのですが、『BuzzFeed Japan』の取材に対して野澤厚美事務局長は、『ジャニーズファミリークラブ』の会員規約について「何と比較するかは難しいですが、一見して十分検討された規約ではないと感じました」といい、「少なくとも、消費者契約法を遵守すべく、照らし合わせて作られたものではないように思います」と指摘しています。
今後については、ジャニーズ側から送られてくる回答内容を見てやり取りを続けていき、過去の実績では、協議に必要な期間は平均して1年程度で、長い場合には2~3年はかかるといいます。
なお、今後の経過については、公式ホームページでその都度報告をしていくとのことなのですが、今回の件に対してネット上では、
- 殿様商売も限界がきてるな
- 規約の改定なんてその気になればすぐ対応できるはずなのに、来年というのは遅すぎ。本当は変えたくないのかな?
- ファン=金づるとしか思ってないでしょ。
- 夢を売る商売なのにファン目線ではないね。残念です
- ブラックその物じゃないか。ひどい内容だ。
- 以前から見直しに着手していたのなら、返答期限までに消費者団体に返答できたはず。来年からなんて遅すぎます。
- ファンの逆襲かな。特別SMAPのファンでなくてもジャニーズ事務所には一度潰して立て直すべきだと思う。
- こういうの、もっとテレビで報道しないと。
などのコメントが寄せられています。
『ジャニーズファミリークラブ』の対応の悪さ、遅さに対しては以前から不満の声がファンの間では多く上がっており、今回指摘された部分以外にも問題点は多く存在し、例えばSMAPのファンクラブについては会員に対して年会費の返金を決めたものの、一方的に払い出し証明書が郵送されてきたそうで、加えて年会費4000円に対して返金されたのは、郵便局の振込手数料500円を引いた3500円だったそうです。
その他にも、ジャニーズのコンサートチケットの優先予約は原則先払いになっており、落選した場合には当然お金は返金されるものの、その際の振込手数料についても会員負担となっており、「外れたのになんで手数料を払わなければいけないんですか」といった怒りの声も多く上がっています。
また、もしチケットが当たった場合でも、希望していた場所以外での当選案内が送られてくるということもあるようで、それに対して問い合わせをしたものの、色々な理由を付けて返金対応をしてもらえなかったという報告も上がっています。
今年1月に表面化したSMAPの分裂・解散騒動以降、ファンらはジャニーズ事務所に対する不信感を募らせ、あまりにも多いファンを無視した行為によって怒りを爆発させており、今後もこれまでのような殿様商売をしていればファンの減少なども起こると考えられるため、今回の件をきっかけに少しずつ変わっていき、ファンをもっと大事にするようにしてほしいものですね。