元NHKでフリーの有働由美子アナウンサーと俳優・松下洸平さんが司会で、4月からレギュラー放送がスタートした音楽番組『with MUSIC』(日本テレビ系 土曜19時56分)の視聴率が大コケしていることや、その原因をニュースサイト『ピンズバNEWS(双葉社)』などが伝えています。
『with MUSIC』は、「アーティストの今一番歌いたい歌を、一番聴きたい歌に」がコンセプトの番組で、19年半放送された教育バラエティ番組『世界一受けたい授業』の後番組として4月からレギュラー放送がスタートしました。
レギュラー放送開始前の3月30日には2時間特番が生放送され、各テレビ局がいま重要視しているコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は民放トップの4.3%を記録し、『世界一受けたい授業』の最終回で記録の3.7%を超えていました。
そして、4月13日のレギュラー放送初回にはメインゲストとして、昨年12月にデビュー25周年を迎え、4月10日にベストアルバム『SCIENCE FICTION』をリリースした宇多田ヒカルさんが出演し、椎名林檎さんとのテレビ初共演コラボパフォーマンスも披露しました。
この他に、2022年に『NHK紅白歌合戦』に初出場した3人組バンド『Saucy Dog(サウシードッグ)』、今月に10枚目のニューアルバム『ファンタジスタ』をリリースしたナオト・インティライミさん、17日にデビューシングル『MIRAI』をリリースした11人組ガールズグループ『ME:I(ミーアイ)』が出演しました。
そんなレギュラー放送初回のコア視聴率は2.1%、平均個人視聴率は3.2%、平均世帯視聴率は5.3%でした。
同時間帯のコア視聴率トップは、『サンドウィッチマンの禁断ランキング』(テレビ朝日系)と『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)の3.5%で、3位は『この歌詞が刺さった! グッとフレーズ 春』(TBS系)の2.6%、4位が『with MUSIC』、5位が『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)の2.0%となっていて、最下位とも0.1%しか差がありませんでした。
なお、『with MUSIC』の前に放送されていた『嗚呼!!みんなの動物園』は、平均世帯視聴率が9.0%、平均個人視聴率が5.6%、コア視聴率は3.3%で、前時間帯から大きく数字を落としています。
初回から大コケとなった『with MUSIC』について、ピンズバNEWSの記事では制作会社関係者が、「『with MUSIC』は、日テレの春の改編の目玉番組ですが、実は、制作関係者などからは“あの番組はヤバそう”という声が放送前からけっこう出ていた」「『with MUSIC』のコンセプトが、今の視聴者が歌番組に求めているものと違っているのではと言われていた」
と明かしています。
音楽番組で成功しているのは、2020年3月末からスタートした『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系 月曜19時)とし、若者の視聴を意識した出演アーティスト選びや番組の雰囲気によって数字を稼いでいるといいます。
2時間生放送された4月8日の放送回には宇多田ヒカルさん、『NCT DREAM』、『SHISHAMO』、『SPYAIR』、『Da-iCE』、『超ときめき♡宣伝部』、『超特急』、『BLUE ENCOUNT』、俳優・歌手の宮世琉弥さん(別名=Ryubi Miyase)が出演し、コア視聴率が4.0%でした。
また、『ミュージックステーション』も新進気鋭のアーティストを起用し、若者を意識した番組作りをするようになったといい、4月12日放送回はコア視聴率が3.7%でした。
一方で『with MUSIC』は、MCの人選から「大人の落ち着いた音楽番組」を意識しているようだとし、番組の内容はシンプルで、アーティストのプロフィール紹介や軽いトーク後にパフォーマンスを披露という流れになっており、「『ミュージックフェア』(フジテレビ系)を感じさせる、よく言えばオーソドックス、悪く言えば大きな盛り上がりがない構成です。そして、『with MUSIC』には、ME:IやYOASOBIなど若者向けのアーティストと、宇多田さんやナオト・インティライミさんといった上の世代向けのアーティストが両方出演しています。恐らく全世代が楽しめる音楽番組にしたいのでしょうが、裏を返せば視聴層を絞り込めていないということ」
と、前出の制作会社関係者が指摘しています。
こうした報道を受けてネット上では、
- 宇多田ヒカル好きだから見たけど、NHKのSONGSの劣化版のように感じた。SONGSはインタビューもたーっぷり、歌は5曲以上はある。
- MCが2人とも地味というか…あんまり好きじゃないかな。。相手のアーティストの良さを引き出すでも無く特別場を盛り上げるでもなく。
大人の雰囲気と言えば聞こえは良いが、何だか見ていて暗い気持ちになる。 - 過去の大物の過剰なフューチャー構成、20年位前なら成功しただろうけど…。有働さんの起用といい、制作側と視聴者側の認識のズレがあるうちは苦戦しそう。深夜の音楽番組として放送されてたらまた違ったかも。
- まだ番組構成は探っていくんだろうな。あまり欲張らないで、こんなほかではなかなか実現できないコラボや出演者を、じっくり有働さんがトークひきだして歌を聴かせてくれたら、私はみる!
- 見た感想として、基本的に視聴者が宇多田ヒカルを知ってる前提で番組が構成されてて彼女の何が凄かったのかは見ててもイマイチ伝わってこなかった。正直有働アナのインタビューも凄く浅くて表面的。
- まだ始まったばかり。出演アーティスト次第でも違ってくるでしょうし。録画して拝見したけど悪くなかったと思います。
いずれはテコ入れするにしても、まだなんともじゃないかな。 - なんか、全体的に空回り感が否めないここまでの2回だったな 生放送を売りにしておいて、収録の観客ばんばん募集かけてるし、ゲストはMステとCDTV合わせたような人選
ステージは観客に囲まれてて落ち着かない感じ 企画とかも余計 日テレの音楽番組作る時の悪癖が全部出てるような番組だよ
これで1か月後にオーディションとか、『THE MUSIC DAY』に絡めた企画始めたらいよいよ迷走開始だろうな
などの声が上がっています。
『with MUSIC』の初回放送は、メインゲストの宇多田ヒカルさんが目玉となっていて、楽曲を披露するだけでなく有働由美子アナとの対談インタビューもあり、放送時間の半分以上は宇多田さんに費やしていました。
そのため、宇多田ヒカルさんのファン以外は番組に興味が持てず、視聴をやめた可能性があるほか、録画したり、見逃し配信サービス『TVer』などで視聴したファンも多いとみられますし、出演アーティストも他局の音楽番組と比べて少なく、初回のラインナップは宇多田さん以外あまりインパクトが無かったことから、初回の視聴率は妥当な結果とも思います。
ネット上では、番組の雰囲気が全体的に暗いといった指摘や、有働由美子アナの司会進行に対しても下手といった手厳しい声も多く見受けられ、そうしたことも視聴者離れの要因として考えられます。
日本テレビは『with MUSIC』について「世界を視野に入れ、グローバルな価値・視点を持つ、令和の時代ならではの本格的な音楽番組」とし、楽曲だけでなくアーティストの魅力なども引き出していくといい、そのため若者だけを意識するのではなく幅広い層をターゲットにした番組内容になるとみられますが、今後も数字の低迷が続けばテコ入れが必要でしょうね。
まだ番組はスタートしたばかりで、今後の出演アーティスト次第では視聴率が大きく変化するでしょうし、とりあえず最初のワンクール(3ヶ月)の視聴率がどのような推移をしていくのかに注目したいところです。
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- https://pinzuba.news/articles/-/6530
- https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04201031/
一人をじっくりだと時間がちょっと違う気がするな。ゴールデンだとテンポ大事