アイドルグループ『私立恵比寿中学』(略称:エビ中)のメンバー・松野莉奈さん(享年18)が8日に急死し、病死とみられると発表されていましたが、所属事務所『スターダストプロモーション』は10日、死因について「致死性不整脈の疑い」という医師の診断結果を公表しました。
また、エビ中の公式サイトでは、18日に開催予定の台湾公演と25日開催のファンクラブ会員限定イベントを中止とし、25日に誰でも参列できる「松野莉奈を送る会」をパシフィコ横浜・国立大ホールで開催するそうで、詳細は後日発表するとのことです。
さらに、3月4日に開催予定の「越生梅林梅まつり×私立恵比寿中学梅まつり応援大使就任記念トークショーイベント」の出演見送りも発表しています。
8日に急死した松野さんは、7日に大阪で開催されたエビ中のコンサート「港カヲル 人間生活46周年コンサート」に出演予定だったものの、体調不良のために欠席し、帰郷して病院で診察を受けた後に自宅で療養。
しかし、8日未明に容体が急変し、午前5時ごろに両親が異変に気づき、119番通報して救急搬送されたものの、救急隊が駆けつけた頃には意識不明の状態にあり、搬送先の病院で死亡が確認されました。
8日の時点では、病死とみられるものの詳しい死因については明らかになっておらず、今回「致死性不整脈の疑い」という診断結果が公表されたわけなのですが、「致死性不整脈」は、心拍数やリズムが一定ではないことを指す「不整脈」のうち、放置した場合に意識の消失や突然死に至る危険性が高い不整脈で、「心室頻拍」や「心室細動」といった危険性の高いものを指すといいます。
「心室頻拍(ひんぱく)」は、脈のリズムが非常に速くなる症状を指し、心臓のポンプ作用が低下することによって、血圧の低下などを招き、心筋梗塞などの心臓病が原因で起こるケース、原因不明の「特発性心室頻拍」があります。
「心室細動(さいどう)」は、心臓の心室が痙攣(けいれん)したように小刻みに震え、全身に血液を送ることが出来ない状態をいいます。
発症から数秒以内に意識消失が起き、発症から早急にAEDを使用するなどして治療をしなければ、短時間で死亡する「突然死」になることがある最も危険な不整脈です。
なお、近畿大学医学部附属病院臨床研究センター講師で病理専門医の榎木英介さんによると、「致死性不整脈の疑い」と発表されたものの、「これは解剖したけど明らかな原因がわからないときに暫定診断としてしばしば使う診断名だ。つまり、まだ死因がよくわからないということだ。」としています。
そして、今回の発表に対してネット上では、
- 若いから、自分がまさかそんな病気に・・・なんて考えもしなかったろうな。
- 前日に診察受けた時は、それほど酷い状態ではなかったってこと?自分が身内の立場だったら、悔やんでも悔やみきれないな。
- 若い人の不整脈って、決して稀なことではない。健康診断で、ちょっと聴診器あてるくらいじゃわからないから、自分の不整脈を知らない人が多いと思うよ。
- 不整脈でも命を失ってしまう病気なんですね。相当無理をしていたのかも・・・もうこれでいろんな憶測はやめてそっとしてあげましょう。ご冥福をお祈り申し上げます。
- 怖い発作があったもんだ・・・それにしても神様もこんな若いアイドルを連れて行かなくてもいいのに。
などのコメントが寄せられています。
不整脈という病気は耳にしたことがありますが、突然死に至る可能性もあるものだとは知りませんでした。
松野さんは昨年12月にも体調不良によって、番組を欠席していたのですが、これも不整脈によるものだったのでしょうか。
不整脈について調べると、タレントの杉本彩さん、放送作家の高田文夫さん、歌手の吉幾三さんも不整脈を発症しています。
吉さんは2013年2月に不整脈の疑いで手術を受け、高田さんは2012年4月に不整脈により心肺停止状態となり、その後手術を受けています。
杉本さんは、2014年に不整脈によってイベント会場から緊急搬送されていました。
また、2016年4月に虚血性心不全により急死したタレント・俳優の前田腱さんも、不整脈の持病があったことが明らかとなっており、同5月に不整脈の手術を受ける予定だったといいます。
不整脈と言っても、細かいものまで含めると約2000種類あり、危険なものと危険ではないものがあるというのですが、突然死に至るケースもある恐ろしいものであるため、もしものことを考えて検査を受け、自分は不整脈なのかどうか知っておいた方がいいのかもしれません。