FCバルセロナVSヴィッセル神戸の親善試合中止。理由はヤスダグループとの金銭トラブル、詐欺・横領疑惑も浮上
今月27日に、兵庫・ノエビアスタジアム神戸で開催予定だったJリーグ『ヴィッセル神戸』とスペインの強豪クラブ『FCバルセロナ』の親善試合が、契約を巡るトラブルが原因で急遽中止となり物議を醸しています。
ヴィッセル神戸は今年、前身の『川崎製鉄サッカー部(川崎製鉄水島サッカー部)』から現在の名称で始動してから30年の節目を迎え、クラブ創設30周年記念のチャリティーマッチとして、27日にFCバルセロナとの親善試合を行う予定で、試合はABEMAで無料生中継され、解説は元サッカー日本代表の乾貴士選手と槙野智章さんが行う予定でした。
しかし、24日にFCバルセロナが公式サイトを更新し、「プロモーターによる重大な契約違反のため、来週日曜日に日本で予定されている試合への参加を中止せざるを得なくなった。しかしながら、クラブは、夏のツアーにおける韓国での試合日程について、プロモーターが一定の条件を満たした場合、FCソウル(7月31日)および大邱FC(8月4日)と予定している2試合、韓国でのサマーツアーについては調整を検討する予定だ。もし、条件が満たされた場合、クラブは近日中に韓国へ出発する。FCバルセロナは、今回の出来事と、日本のバルサファンの皆様への影響について遺憾に思う。」
との声明を発表しました。
この発表を受けてヴィッセル神戸も公式サイトで声明を発表し、現在状況の確認を行っている最中だと報告しています。
また、ヴィッセル神戸の選手たちは24日も予定通り練習を行っており、吉田孝行監督は「クラブからは『やるつもりで』という説明を受けた。今日も明日もその準備をしていく予定」と語っています。
両者の声明だけでは一体何が起きているのか詳細は不明なのですが、FCバルセロナのアジアツアーを主催の韓国の会社『D-DRIVE』の声明によると、ヴィッセル神戸とFCバルセロナの試合は日本の『株式会社ヤスダグループ』側から提案し、D-DRIVE社とは共同開催という形で、24日に試合代金の全額をD-DRIVE社に支払う予定だったそうです。
しかし、期日までに代金が支払われなかったといい、「ヤスダグループは、複数の偽造・無効文書を提出し、支払いが韓国に送金されたと虚偽の主張をしました。私たちはヤスダグループの従業員が、同社のCEOが故意に支払いを差し控えたことを確認する音声録音を保有しており、これは意図的な詐欺の明白な証拠です。今回の不正行為によりイベントの開催を危うくしただけでなく、楽天をはじめとする関係パートナーの評判に深刻なダメージを与えました。これらの事態を踏まえ、FCバルセロナは責任ある判断として、日本での試合を中止することを決定しました。」
と説明し、今後は日本サイドの責任者に損害賠償を求める法的措置を取る予定としています。
韓国メディアの取材によれば、ヤスダグループはスポンサーの楽天から支給予定の試合代金の残金約10億円近くを横領し、期日までにD-DRIVEに送金していないことを知ったFCバルセロナが試合中止を決定したとのことです。
横領や詐欺疑惑が浮上しているヤスダグループはこれまでに、海外のクラブとJリーグの親善試合を開催したり、日本代表の久保建英選手が所属するスペインの『レアル・ソシエダ』のジャパンアカデミー経営を手掛けたり、昨シーズンまで同クラブのメインスポンサーを務め、今月には5年間のパートナーシップ契約を結んだことを発表しています。
<↓の画像は、レアル・ソシエダのユニフォームを持つヤスダグループの安田慶祐代表取締役CEO>
また、日本代表の伊東純也選手、中村敬斗選手、関根大輝選手が所属するフランスの『スタッド・ランス』とも密接な関係にあり、ジャパンツアーのコーポレートパートナーなどを務めています。
そして、ヴィッセル神戸とFCバルセロナの親善試合開催にあたり23日には、FCバルセロナの公式グッズ販売を行うことを告知していたのですが、親善試合の中止に関して現時点ではコメントを出しておらず、『中日スポーツ』が同社に取材を試みるも、24日正午時点では応じていないとしています。
このトラブルに対してネット上では、
- ソシエダの胸についた時も胡散いのに大丈夫か?って散々言われてたけど、ガチでマジのアレだったか
- かつて新興国で起きてたようなプロモータートラブルが遂に日本でも…
- サッカーシューズのYASUDAと思っていた。良い迷惑だな
- 欧州やJのクラブがよく分からない会社とスポンサーなりプロモーション契約をするのがそもそも不思議
- 自転車操業で思いのほかチケット売れず、体力残ってなかったといったオチですかね
- これチケット買った人は泣き寝入りなのか チケット仲介業者から払い戻しは効くのか
- 韓国側の声明を全面的に信用するの無理があるわ、あいつら平気で水増しするからな
- メインはキムチ企業で安田はサブの日本担当、入金支払元キムチ側で安田は支払い渋り続け、キムチ側が痺れを切らしたといった流れだが、これが事実かすら…一筋縄ではいかなさそう
- これはひどいなあ。明らかに詐欺じゃないか。こんな大イベントでおきるチョンボじゃない。すぐに逮捕されるでしょうが、さてお金はどこへ行った?
- いきなりソシエダのスポンサーになるくらいなのにサイト見てもどういう会社なのかよくわからなかった。
スポーツイベントがメインじゃトップリーグのスポンサーになるほど儲かってるとも思えなかったし、なんか怪しい会社と思ってたら案の定。まあいきなりこんなやらかすとは思ってなかったけど。
などの声が上がっています。
ヤスダグループは2023年10月に設立され、公式サイトで主要取引先として、ヴィッセル神戸を運営する楽天ヴィッセル神戸株式会社のほか、東京ヴェルディ株式会社、株式会社ジュビロ、株式会社エスパルス、株式会社ゼルビア、株式会社ガンバ大阪、株式会社AbemaTV、株式会社JTB、楽天チケット株式会社、株式会社静岡新聞社、東京都や静岡県のサッカー協会などを挙げています。
これまでに、レアル・ソシエダやスタッド・ランスのメインスポンサーを務めていて信用ある会社かと思いきや、2年前には週刊誌『週刊新潮』がきな臭い話を報じており、社長はヤスダグループを設立前に化粧品輸入販売を手掛ける会社と、フラダンスのイベントを手掛ける会社を経営していたものの、複数の金銭トラブルを抱えて裁判沙汰になっていたとのことです。
特に実績がないにも関わらず、被害者たちが会社を信用した背景には、社長が自己紹介する際に「安田財閥の創始者・安田善次郎の末裔(まつえい)」だと語り、ある出資者は家系図まで見せられたそうですが、本当に安田財閥の末裔なのかは定かではありません。
このように以前から金銭トラブルを起こしていたとのことで、今回のトラブルに関しても起こるべくして起こった問題と言えますが、スペインメディアの報道によれば、今回のアジアツアーでFCバルセロナは最低約26億円、最大で約34億円の収入を見込んでいたといい、もし裁判に発展したとすれば莫大な損害賠償を請求される可能性が高く、そして意図的な詐欺行為があり、金を横領したとなれば刑事告訴もされるのは必至です。
とりあえずは今回のトラブルに関して、ヤスダグループやヴィッセル神戸、スポンサーの楽天は今後どういった対応を取っていくのか、引き続き動向を注視していきたいです。
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- https://www.fcbarcelona.jp/ja/club/news/4321534/fc-barcelona-statement
- https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20250724/2042697.html
- https://web.archive.org/web/20240524221442/https://www.dailyshincho.jp/article/2023/12080557/
- https://yasuda-intl.com/business/
- https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8abcb0f7c4a6c2ba614bdc06bd4e4124fa56e790