24時間テレビの募金横領事件で日本海テレビ元社員に有罪判決。実刑は回避、執行猶予付きに疑問や批判の声
日本テレビ系列の日本海テレビ(鳥取)の元経営戦略局長(55)が、『24時間テレビ -愛は地球を救う-』の募金や会社の金を横領した事件の判決公判が17日に行われ、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決が下されました。
元経営戦略局長・田村昌宏被告は2023年9月に、24時間テレビの寄付金10万5,000円を自身の口座に入金したほか、経理部長だった2019~2021年にかけて会社の資金約470万円を横領したとして、業務上横領罪で今年3月に在宅起訴されました。
なお、日本海テレビの調査によれば、被告の横領金額は2014年以降で約1,118万円で、そのうち24時間テレビの募金は約264万円としています。
検察は被告の行為について、「取引業者に送金したかのように装う伝票を作成するなど犯行は巧妙で悪質」「自己消費目的で募金まで着服した点は、国民や関係団体の信頼と善意を踏みにじる行為であり、動機及び経緯に酌量の余地はない」
と指摘し、日本海テレビ側も厳罰を望んでいるとして懲役3年を求刑しました。
一方の弁護人は、「着服した金は全額弁済していて、会社を解雇されるなど社会的制裁も受けている」
などと主張し、執行猶予付きの判決を求めていました。
そして、今日行われた判決公判で鳥取地方裁判所は、「募金者の善意を踏みにじるもので、チャリティ募金の信頼を失墜させて募金額の減少等を招きかねない」
などと指摘しつつも、余罪も含めて全額弁済していることなどを考慮し、懲役3年・執行猶予5年の判決を下しました。
この判決を受けて田村昌宏被告の弁護人は控訴について「現時点でお話することはない」としています。
この判決を受けてネット上では、
- 実質無罪やんけ
- 悪質なのに何故執行猶予が付くのか??実刑にするべき
- 幹部社員ともなればそこそこの給料は貰っていた筈なのに、寄付金に手を出すなんて社会通念上一番やってはいけない恥ずべき行為をしたのだから、執行猶予付きではない有罪判決をして欲しかった
- 有罪は当然。人の善意につけ込んでお金貰っといて横領は詐欺と同じ。
まさかとは思うけど、寄付金がギャラに流れてるなんてことないよね? もしそうならそれも横領と同じことだよ - 社会の信用を失った24時間テレビはもう止めるべき
- 横領をする側もどうかしているが、この件があっても番組を継続している事や、その番組の視聴率や寄付金が例年と大差がなかった事もどうかしている。
などの声が上がっています。
検察によると、田村昌宏被告の給料口座は東京に暮らす妻が管理し、お小遣い制(毎月6~10万円)だったといい、横領したお金は生活費や飲食費、スロット代に費やしていたといいます。
しかし、6月に行われた第2回公判で田村昌宏被告は一転して取り調べでの供述内容を否定し、最初に横領したきっかけは親族にお金を貸し、自身の銀行口座が200万円のマイナス残高となり、マイナス分を補填するために横領したと説明しました。
また、横領したお金は局の売り上げや経費の補填に使用したと主張し、その明細はエクセルで管理していたほか、手帳に付箋も付けてお金の出入りを関していたなどと説明していたものの、手帳やエクセルのファイルは社内調査前後にパニックになるなどして破棄したとしており、証拠を出していないことからどこまでが事実なのかは定かではありません。
24時間テレビの募金を横領した理由は、募金額をコントロールするためだったなどと主張しており、上司から指示を受けたわけでもなく“自己満足”で、前年比100%をギリギリ超える程度に調整していたなどと意味不明な説明をしており、前年を大きく上回ったら着服し、下回ったら補填していたとしています。
しかし、募金全体の額は日本海テレビで集めたものよりも、大手スーパーで集まる金額の方が多いことから、被告が募金額をいくらコントロールしようとしても上手くいかなったと供述しています。
さらに、募金の横領時に善意の気持ちを踏みにじっている気持ちは無かったか問われると、「それよりも、(前年比の)パーセントを達成するという使命感の方が強かった」などと語っていました。
こうした身勝手な主張をする被告に対して日本海テレビはブチギレ激怒しており、検察が読み上げた日本海テレビの陳述書では、募金横領事件が原因で番組や局の信用が失墜し、300件以上のクレームが局に寄せられ、CMスポンサーも離れたことによる損失は1,000万円超えで、2023年12月には代表取締役会長が引責辞任するなど、大きな影響を与えたとしています。
そして、「多くの方の善意で成り立ってきた募金の横領は、番組の歴史の否定であり許せない。寄付という性善説を踏みにじる行為は決して許すことはできない。被告人には生じた影響を認識して反省してもらい、それにふさわしい判決がくだされることを願っております」
と訴えていました。
最終的には5年の執行猶予付き判決となり、ネット上ではこれに納得する声は皆無で、非常に悪質な行為だとして実刑判決を下すべきとの声が相次いでいます。
田村昌宏被告は恐らく初犯で全額の弁済も済ませており、検察もギリギリ執行猶予が付く懲役3年を求刑していたことから、同様の事件のこれまでの判例から妥当な判決ではあるのですが、善意を踏みにじる悪質性から納得できないとの声が上がるのも当然です。
この判決を受けて今後弁護側は控訴するのか、またこの事件に激怒している日本海テレビ側は民事でも訴えるのか否かが気になるところで、今後の展開にも注目したいところです。
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- https://www.jiji.com/jc/article?k=2025071700640
- https://www.news-postseven.com/archives/20250626_2049122.html
- https://www.news-postseven.com/archives/20250626_2049123.html
- https://www.news-postseven.com/archives/20250626_2049124.html